満員電車で吊革につかまった時やエレベーターで他人との距離が近い時、「脇が臭わないかな?」と不安になることはありませんか? 脇の下はとても汗をかきやすい場所、薄着のシーズン以外にも脇汗を感じることがあります。自分の臭いには気づきにくいから、余計に心配な脇の臭い。臭いの原因を正しく知って、消臭ケアを行うようにしましょう。
脇の臭いの種類
ひと口に「脇の臭い」と言っても、臭いは1種類ではありません。体質や汗の量などによって、異なるタイプの臭いがあります。よくある臭いには、次のようなものがあります。
酸っぱい臭い
ムッと臭う酸っぱいような臭いは、汗をかいた皮膚や汗で濡れた衣類に菌が繁殖した臭い。汗そのものは無臭ですが、汗と皮脂が混ざり合って常在菌が繁殖すると、酸っぱいような臭いになります。
玉ねぎの臭い
玉ねぎのようにツンとくる刺激臭は、ワキガ体質の臭いの特徴。ただ玉ねぎの臭いがするから必ずしもワキガという訳ではなく、食事の内容や体調によっても脇汗が刺激臭を発することがあります。
鉛筆の芯の臭い
他にも「鉛筆の臭い」など表現はさまざまですが、鉛筆のような臭いは、ワキガ体質の臭いの最も多くみられる特徴です。
雑巾のような臭い
雑巾のような臭いは、多量の発汗が皮膚や衣類を湿らせ、繊維の中に細菌が繁殖した結果発生します。夏場で汗を多量にかいた日や多汗症の人に多い臭いです。
脇の臭いの原因
脇の臭いと言えば、まず言われるのが「ワキガ」。でも脇の臭い=「ワキガ」ではありません。汗には「エクリン腺」から出る汗と、「アポクリン腺」から出る汗があり、「アクポリン腺」汗の臭いが強い場合を「ワキガ」と言います。
エクリン腺
全身どの部位にもある汗腺です。主に体温を調節するために発汗します。汗の成分は水と塩分で汗そのものは無臭ですが、汗で濡れた皮膚に細菌が繁殖することで臭いが発生します。またストレスや体調不良などで汗腺の機能が悪くなると、ミネラルやアンモニアなどの成分が混じった汗になり、臭う原因になります。
アポクリン腺
脇や性器の周辺などに集中して分布する汗腺です。アクポリン腺は、臭いを作り出すために分泌します。この臭いは動物が個体を識別したり、フェロモンのように異性を惹きつける役割を持っていたと考えられ、思春期にはアポクリン腺も大きくなって分泌物が増えます。
「エクリン腺」から出る汗は本来無臭、「アポクリン腺」から出る分泌物は臭いを作るためのものですから、ケアの仕方も違います。
脇の臭いを消臭する方法
脇の臭いの原因が「ワキガ」の場合は、体質的なものですから、あまり臭いがきつい場合は皮膚科へ相談するようにしましょう。軽度の「ワキガ」や汗による脇の臭いは、皮膚や衣類に汗がつき菌が繁殖した臭いですから、
- 消臭スプレーを使う
- デオドラントシートで脇を拭く
- 汗で濡れた服を着替える
などの方法で消臭できます。身体を拭いたり着替えたりできない外出先では、消臭スプレーが便利。衣類にスプレーするタイプの消臭剤がおすすめです。
脇の臭いの予防法
脇の臭いの予防には、「制汗」「清潔」「抗菌」が有効です。
制汗
汗は体温調節に必要な機能なので、「汗をかかない」よりも「臭う汗をかかない」ように心掛けるのがポイントです。肉中心の食事は皮脂が増える原因となり、汗が臭いやすくなります。また、ストレスや運動不足も汗が臭う原因になります。
清潔
臭いが気になるからと、ゴシゴシと肌を脇を洗うのはNG。洗い過ぎることで、皮脂が余計に分泌されます。ナイロンタオルは刺激が強いので避け、柔らかなタオルか泡立てた泡で優しく洗うのがポイントです。
抗菌
汗自体は無臭ですから、菌を繁殖させないことが大切。「エクリン腺」の汗は蒸発力が強く、発散した臭いは衣類に吸着します。汗をかいた身体よりも、脱いだ服の方が臭うのはそのせい。出かける前に衣類に消臭効果のあるスプレーを用いると効果的です。
植物が発するフィトンチッドには、消臭の他にも免疫力を高める効果があります。「さわやか」スプレータイプを、衣類の脇にあたる部分に吹きつければ、消臭しながら、さわやかな香りで安らぎを与えます。