なんとも表現し難い、独特な臭いを放つわきが臭。医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれており、汗の臭いとは異なる、ツーンとした強烈な臭いが特徴的です。実は腋臭症は、わきだけではなく陰部や乳輪部にも発生する可能性があるのをご存知でしょうか。油断をしていると知らず知らずのうちに症状が悪化し、不快な臭いを発している恐れがあります。ここでは、意外と知らない「すそわきが」、「チチガ」について紹介します。
「すそわきが」と「チチガ」って?
汗を分泌する腺である「汗腺」には、エクリン腺とアポクリン汗腺の2種類があります。このうち、運動をしたときなどにかくサラッとした汗はエクリン腺から出るのに対し、わきが特有の汗はアポクリン汗腺から分泌されます。
中でも、アポクリン汗腺から出る汗は、わきの下から出る汗を原因とした臭いを「わきが」と呼ぶのに対し、外陰部から出る汗を原因とした臭いを「すそわきが」、乳輪部から出る汗を原因とした臭いを「チチガ」と呼んでいます。
アポクリン汗腺は、わき、外陰部、乳輪部以外にも、耳、肛門にも分布しています。
すそわきがとチチガの原因
わきがをはじめ、すそわきがやチチガ特有のいやな臭いは、アポクリン汗腺から排出される汗と皮脂腺から分泌される脂肪酸が合わさり、皮膚の上に存在する常在菌や雑菌によって分解される過程で発生します。わきと同様に、外陰部、乳輪部といった蒸れやすい部分は、よりいやな臭いを発生しやすくなります。
エクリン腺とアポクリン汗腺のうち、エクリン腺から分泌される汗は9割以上が水分でできています。一方で、アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質、脂質など雑菌が好む成分が多く含まれています。これらの成分を分解、繁殖する過程で生じる臭いは、通常の汗の臭いよりも非常に強いのが特徴です。アポクリン汗腺の数は生まれながら決まっており、多ければ多いほどいやな臭いを発しやすくなる傾向にありますが、臭いの程度は体質によっても異なります。
すそわきがとチチガのチェック方法
以下の項目のうち、当てはまる数が多いほど、すそわきが、またはチチガ発症のリスクが高いと言われています。
- 毎日お風呂に入って身体を清潔にしているのに、いやな臭いが取れない
- わき以外にも、乳輪周辺から臭いを発しているように感じる
- 性器周辺からいやな臭いがする
- 下着に黄色いしみがついている
- 耳垢が湿っている
また、両親にすそわきがやチチガの傾向が見られる場合は、同じ体質が遺伝している可能性があります。ただし、両親のいずれかが発症しているからといって、100%発症するとは限りません。
すそわきがとチチガの対策方法
すそわきがとチチガは、手術または専用の石鹸を使ったケアなどで改善することができます。手術では、臭いの原因となるアポクリン汗腺を除去するため、一定期間の入院が必要なケースも見られます。
また、すそわきがとチチガを治療するには、食生活を見なすことが重要です。動物性タンパク質に偏りがちな食生活は、アポクリン汗腺から排出される脂質量を増やし、汗が臭いやすくなるので避けるようにしましょう。
すそわきがとチチガは、適切な治療やケアにより改善することができます。周囲にいやな臭いを放っていないか不安な場面では、消臭スプレーを衣類にふきかけておくと安心です。天然消臭成分を配合した「さわやか」スプレータイプは、気になる臭いを緩和してくれるため、自身が発する臭いの心配をする必要がありません。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?