工場内で臭いが気になる場合の消臭法について

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工場で働く人が抱えがちな「職場の臭い」に関する悩み。工場にはオフィスや家庭とはまた違う、独特の臭いがあります。ここでは、工場における臭気はなぜ強いのか、その原因と対策について紹介しましょう。

工場で気になる臭いの原因

塗装工場や食品工場、製紙工場など、日本にはさまざまな工場がありますが、いずれの工場でも独特な臭いが漂っています。この工場内の独特な臭いは、使用されている薬品、食品残渣、オイル、機械の排気ガスなどが主な原因です。

工場での作業過程で生じる物質には、アンモニアなどの臭気成分が含まれており、モワッとした、あるいはツンとした臭いが発生します。臭気の中でも塗料、接着剤、ガソリンなどに使われるVOC(揮発性有機化合物)は、臭いの強いトルエンやキシレン、酢酸エチルなどの有機化合物を多く含んだ悪臭として有名です。

特に印刷工場や自動車製造工場では、VOCを含むガスなどを排出することが多いため、臭いが強くなりやすい傾向にあります。自動車製造工場では、VOCによる臭いだけでなく部品を焼き付けする際の焼き焦げ臭やタイヤのゴムの臭いなど、強力な臭いの元となる原因がいくつも潜んでいます。

工場で気になる臭いの消臭法

では、すでに工場内にいやな臭いが漂っている場合は、どのように消臭すれば良いでしょうか? 以下でその方法を解説していきます。

臭いの元の特定

まずはどの機械や工程から、どれだけの臭いが発生しているかを特定しなくてはいけません。ほんの少しのガスに、臭気の強い成分が大量に含まれていることもあります。その原因を見定めましょう。

VOCなどを含むガスに対する脱臭システムの導入

たとえば、臭いの元になりやすいVOCを含んだガスの消臭には、消臭液でVOCを包み込んで脱臭する、新しい脱臭システムの採用をおすすめします。これまでは、VOCを含むガスを処理するには、燃やして二酸化炭素に変える方法がとられていましたが、新しい脱臭方法はVOCを包み込んで吸着するため、発生する二酸化炭素の量を抑えつつ脱臭することができます。

消臭剤の使用

工場で発生する臭気に対して、消臭液を気化ガスとして噴霧する方法もあります。活性炭方式や光触媒タイプなどさまざまなものがあるので、臭いの原因に応じた装置やシステムを組み合わせることが大切です。効果の有無を検証するのはもちろんですが、自分の工場に合った専用機器を探すところからはじめると良いでしょう。

工場で気になる臭いの予防法

工場の臭いを予防するためには、臭いが発生しないシステムをあらかじめ整えることが大切です。たとえば、臭気が発生する有機溶剤を使用せずに、代替品を用意するなどの方法があります。もし代替品の準備が難しいときは、脱臭装置の設備投資を行うなど、全体的なシステムの運用方法を見直してみましょう。

予算に余裕がない場合は、臭気を発する有機溶剤の入った容器をきちんとフタするように徹底するだけでも、臭いが蒸発する量を格段に抑えることができます。そのほか、作業スペースに消臭剤を設置する方法もあるので、できるところから対策を行って工場の臭いを緩和していきましょう。

工場から発する臭いは、従業員の仕事の効率やモチベーションを左右します。またそれだけでなく、あまりにも臭いが強いと工場の外まで臭いが及び、近隣住民の方から苦情がくるケースも考えられます。上記を参考に正しい対策を行い、臭いが少ない快適な工場を目指してみてはいかがでしょうか。

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